三重県内企業・団体様の取り組み紹介

津市
株式会社シーテック 三重支社様

鉄塔保守で培った人力工法で「誰も取り残さない」社会づくりを!

左:伊藤裕司さん 中:山本尚美さん 右:山下達巳さん

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電力設備・情報通信設備の建築・保守を通じて、
電力の安定供給の一翼を担う株式会社シーテック。

▲株式会社シーテック 三重支社

近年は、再生可能エネルギー事業にも積極的に取り組み、
低炭素社会の実現に向けて努力を続けています。

しかし、同社と環境とのかかわりは今に始まったわけではありません。
発電所や発電設備の多くは、森林を伐採し建設されており、
同社は人々の便利な暮らしと環境との狭間で事業を行ってきました。
だからこそ、環境への意識を一層高く持ちあわせ、
新技術の採用にも積極的に取り組んでいます。

昨今、シーテックが有する「環境に優しい技術」のひとつ
「KODOBOKU(小土木)」が注目されています。

これは、車両や重機の乗り入れが困難で
ほとんどの作業を人力で行わなくてはならない送電鉄塔の保守現場において
作業員のアイデアから生まれた工法と資材です。

KODOBOKU(小土木)が注目される背景には、
ここ数年増加している、集中豪雨による土砂災害があります。
その原因は、気候変動や森林破壊など
SDGsのテーマにもあげられる地球規模の課題であり、
世界レベルで持続可能な社会づくりが求められるなか、
KODOBOKU(小土木)は、自然環境に極力負荷をかけない持続可能な方法で、
土砂災害の復旧・予防に貢献しています。

▲山岳地に建つ送電線鉄塔

▲KODOBOKU(小土木)の工法と資材

KODOBOKU(小土木)のひとつストーンバッグは、
特殊なワイヤーバッグに現場の石を詰め込み、土嚢代わりに利用するというもの。
例えば、豪雨により土砂が流出した復旧現場では土嚢袋に詰める土はなく、
周辺に転がっている石を活用しようにも、袋が破れてしまいます。

そこで、開発されたのが「ストーンバッグ」です。

素材には、鹿柵ネットに用いられる
ステンレスが編み込まれた丈夫で軽くて柔らかいワイヤーを使用。

使い勝手はもちろん持ち運びも便利で、
既に送電鉄塔の敷地内外で土砂災害の予防や復旧、足場の悪い傾斜面の階段等に
活用されています。

▲ストーンバッグに石を詰め込む様子

▲ストーンバッグを足場の悪い斜面に埋め込む様子

例えば、重機が利用できる場所であれば、大規模にコンクリートで固めることができます。
それが困難な状況だったからこそ生まれた小土木技術ですが、思いがけない価値が2つありました。

ひとつは、環境保全に役立つということ。
ストーンバッグを例にあげると、大規模な工事のように自然に影響を与えることなく、
もともとあった石を利用し従来の自然環境を保ちながら復旧を行えます。
また、コンクリート化された領域では小動物が住みづらくなりますが、
小土木技術ならそういった心配がありません

もうひとつは、市民の力で「災害に強いまちづくり」に活用できるということ。
大規模災害が多発している昨今、
人力で行えるこの技術が「災害復旧・事前防災に活用できる」と注目され、
既に、同社は環境保全と事前防災に取り組む自治体への技術提供を行っています。

▲鉄塔敷地内に設置されたストーンバッグ。山の環境保全と防災を両立しています。

さて、小土木技術は現場の課題から誕生したわけですが、
なぜ、同社ではいくつものアイデアが生まれるのでしょうか?

理由のひとつは会社の風土です。

シーテックでは、毎年、改善提案コンテストが開催され、
各支社の予選を勝ち上がったアイデアが本選で競われ、優秀賞が選ばれます。
また、ひとり一人が提案する改善内容は、
社内のイントラネットでだれもがいつでも見ることができます。

常に問題意識を持ち改善策を考える社員、
そして、それらを吸い上げ受け入れてきた会社。
この積み重ねによって現在の風土が育まれたのです。

▲取材時も、活発に意見が交わされていました。

そしてアイデアを形にするにあたって欠かせなかったのが、
他社とのパートナーシップです。

小土木技術と工法は、課題解決のアイデアに賛同してくれる他社と協同し
製品化を実現してきました。
最近では、企業の垣根を超えた技術交流会もスタートしています。
現場で課題に直面しているシーテックと現場の課題を知りたいメーカーの交流によって、
今後、新たな技術の誕生が期待されます。

このような取り組みは、
SDGsの

目標11 住み続けられる街づくりを

目標12 つくる責任 つかう責任


目標15 陸の豊かさも守ろう

に貢献しており、
これらの実現に向けて

目標17 パートナーシップで目標を達成しよう

を実践しています。

最先端のロボット技術で社会インフラを守る傍ら、
小土木技術のようなアナログ技術を進化させ、
デジタルの進化だけでは対応できない社会の課題解決に取り組んでいるシーテック。

これこそが、
「誰も取り残さない社会の実現」に必要な企業の姿勢なのではないでしょうか。

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追記:

本記事公開直前に嬉しい報告をいただきました。
なんと、KODOBOKU(小土木)が、
第4回インフラメンテナンス大賞の経済産業省・優秀賞を受賞されました!

インフラメンテナンス大賞とは、
日本国内のインフラのメンテナンスに係る優れた取組や技術開発を表彰するもので
KODOBOKU(小土木)技術が、社会に役立つ技術として高く評価されました。

今後も、この技術が、より広く活用されることを願います。

企業・団体プロフィール

  • 名称

    株式会社シーテック 三重支社
  • 住所

    〒514-0834 三重県津市大倉12-19
  • 電話番号

  • 事業内容

    電力設備事業
    情報通信事業
    土木建築事業
    再生可能エネルギー事業
    エネルギーソリューション事業
    熱供給事業
  • HP

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