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この日、無骨な鉄骨工場に
子どもたちの賑やかな声が響きました。

四日市市広永町の株式会社稲垣鉄工。

三重県にたった4社しかないHグレードの鉄骨工場の1社で、
公共建築物や商業施設、工場などの建築鉄骨を製造しています。
昭和51年の創業以来、
鉄骨事業を通じ地元の発展を支えてきました。

2023年1月20日。
稲垣鉄工を訪れたのは、地元八郷小学校の5年A組とB組の生徒たちです。

社会科で「日本の工業生産」を学習し、
これまでに自動車や食品加工の工場見学を行ってきましたが
身近な工場は今回がはじめてです。
稲垣鉄工は、小学校から約1㎞。
自分たちの生活との関りを感じながら、
より直接的に製造の様子や働く人の思いを見聞きして欲しい、という
先生方の思いからこの社会科見学が実現しました。

▲子どもたちを出迎える稲垣社長

稲垣鉄工では、4カ月前から準備をスタート。
これまでも、取引会社や地元の企業が見学に訪れることがありましたが、
子どもたちを迎えるのははじめてです。
難しい話だと興味がわかないから、
とにかく「楽しく・わかりやすく」子どもたちをもてなそうと、
会社見学マニュアルを作成するワーキンググループが中心になり
社会科見学の企画をたてました。

まず、鉄骨をより身近に感じてもらえるよう、
鉄骨を擬人化したキャラクター「いなてつファミリー」を作成。

仕事紹介の資料にもキャラクターを登場させ、
また、難しい漢字にはふりがなをつける、
説明の途中でクイズをはさむ、
各職種の仕事を紹介する映像を作成する、
工場内にもわかりやすいパネルを提示する・・・など、
子どもたちに満足してもらえるよう
みんなでアイデアを出し、準備をすすめました。

▲いなてつファミリー

そして、当日。

まず、鉄骨と鉄骨工場の仕事の説明からスタートです。
話を聞きながら、熱心にメモをとる子どもたち。
稲垣鉄工が携わった地元の建物が紹介されると、
「ここ知ってる！」
「この幼稚園に通ってた！」
と大盛り上がり。

▲熱心に話を聞き、メモをとる子どもたち

▲地元にある多くの建物建築に稲垣鉄工が携わっています

その後、工場見学で巨大な鉄骨が加工される様子に触れると
子どもたちは興味津々。

最後の、この日の学びを振り返る「クイズ」でも、
みんなが積極的に手を上げ参加し、
クイズが終わったときには、子どもたちから
「もっとしたいー！！」
という声が上がったほどです。

▲安全に見学するためのルールを説明する社員さん

▲工場に入る前に、再度、安全ルールを確認

▲工場内を見学

▲組立工程を説明する社員さん

▲塗装工程を説明する社員さん

▲見学後のクイズに積極的に参加する子どもたち

▲クイズの中身も社員さんが考えました

見学後、生徒から

外からは見えない鉄骨だけど、
見えないところで頑張っている姿がかっこいい。

自分たちのために、こんなに準備をしてくれてありがとう。

という感想が。

▲社員さんに感想を伝える子どもたち

子どもたちは、自分たちの生活が
大勢の人の努力によって成り立っていることを感じ、
そして、将来自分も社会人として
その一端を担うことを思い描いたのではないでしょうか。

また、様々な企業を見学することは、
子どもたちがいろんな方面に興味を持ち、夢を探すきっかけになるかもしれません。
さらに、これを地元で学ぶことは、
地域を愛し誇りを生むことになり、地域の未来につながります。

地元企業が子どもたちの社会見学を行うことの
社会的な意義と大きな価値を感じた一日でした。

▲工場見学のお土産は、いなてつファミリーのクリアフォルダ・ノート・定規のセット

▲稲垣鉄工 会社見学ワーキンググループのメンバーと稲垣社長