三重県内企業・団体様の取り組み紹介
- 津市
- 三重大学 Scilets(サイレッツ)育成部門様
オンライン講座で環境人材を育成!大学の知見を地域に
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▲サイレッツ育成部門長 佐藤邦夫名誉教授
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県内唯一の国立大学「三重大学」。
その名は県民の多くが知るところですが、
「環境先進大学」として全国に名をはせていることは
ご存知でしょうか?
大学の理念の中には「人と自然の調和・共生」が記され、
この理念のもと、
2007年に日本の大学初となる
全学キャンパス(附属病院を除く)を範囲とする国際標準規格「ISO14001」認証を取得。
毎年発行している「環境報告書」は環境省・環境コミュニケーション大賞を何度も受賞し、
また学生の活動としても、
環境ISO学生委員会の長きにわたりる取り組みが認められ、
2017年、大学生の組織として全国で初めて
「地域環境保全功労者表彰 環境大臣賞」を受賞しました。
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▲環境報告書は2019年よりWEB化、ペーパーレスを図る。
このように、環境先進大学として取り組みをすすめるなか、
世界にも大きな動きがありました。
2015年のパリ協定合意です。
これによって世界が脱炭素社会に進むことが示されたわけですが、
そこで急務となったのが地域で環境問題の解決を推し進める人材の育成です。
三重大学は2016年に環境人材育成事業を国に提案、
それが採択され、
2017年に「科学的地域環境人材育成事業(通称:サイレッツ)」の運用がスタートしました。
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サイレッツ育成部門の部門長であり、
これまでに省エネ研究を通じて環境負荷の低減に取り組んできた佐藤邦夫名誉教授は、
環境問題と向き合うには多面的な視点が必要だと言います。
「環境問題は、多様な分野にまたがり
それぞれが互いに関連し影響しあっているので、
多面的な視点で捉えなくてはなりません。
例えば、生物多様性の問題であれば、生態系の理解はもちろんのこと、
そこに関わる法律や、生物多様性から生まれる経済の理解も必要です。
感覚的に『環境にいいことをしよう』では、問題は解決しません。
さまざまな分野について、
事実や数字をもとに科学的かつ体系的に知ることが重要です。」
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パリ協定の発効から6年。
脱炭素社会に向けた政策は国から地方に広がり、
地方自治体や中小企業にも
地球環境への貢献が求められるようになってきました。
ところが、環境について広く専門的に学べる場はほとんどなく、
「何をどう取り組めばいいのかわからない」
という経営者や担当者も多いのが実情です。
そして、そこを担うのがサイレッツです。
サイレッツは、環境に関わる10の分野をオンライン講義で学べ資格を取得することもできます。
また、受講者同士の異分野・異業種交流や、大学との共同研究など、
実践の場も用意されていて、
地域環境課題の解決や地域価値を生かした新事業の創出などが期待されています。
2021年3月時点で受講者は574名(社会人のほか三重大学学生を含む)、
そのうち113名がアナリスト資格を取得。
企業・自治体の環境担当者や、環境に関心のある一般の方、また三重大学の大学生など、
環境部門の初任者研修や生涯学習ツールとして、また将来に向けての必須知識として学ぶ方もいます。
企業でCSRを担当している受講者からは、
環境問題を体系的に学べて自信につながったという声が聞かれました。
「環境についての知識がなく、何から手をつければいいのかわからなかったのですが、
サイレッツで広く基礎を学び、全体像を理解することができました。
また、環境保全と経済発展のジレンマや、便利な暮らしの裏にある廃棄の課題など、
環境問題は一つの面を見ているだけでは解決できないことがわかりました。」
環境問題を含むSDGsの達成目標期限として定められた2030年まであと9年。
サイレッツが担う役割は環境人材の育成にとどまらない、と佐藤名誉教授。
「SDGsとしては2030年が区切りですが、
すべての人が安寧を得られる理想の社会に向けて、
その先もみんなが取り組みを続けなくてはなりません。
私は、SDGsは理想の社会にたどり着くための道筋だと考えています。
みんなが長期にわたり努力をし続けられるよう、
地域の方々にその道筋を正しく伝えることも、
私たち大学としての大切な役割です。」
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SDGsの達成(環境問題の解決も含むより良き社会の実現)に向けて、
そしてその先の理想的な社会の実現に向けて、
三重大学は、地域の知的土台の構築にこれからも取り組んでいきます。
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▲緑のカーテンが設置された三重大学情報科学館
企業・団体プロフィール
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名称
三重大学 Scilets(サイレッツ)育成部門 -
住所
〒514-8507 三重県津市栗真町屋町1577 -
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