三重県内企業・団体様の取り組み紹介

津市
一般社団法人海っ子の森様

「ワクワク」と「共創」で、海の豊かな恵みを未来へ

代表理事 山下達巳氏

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プラスチックごみや海洋資源の乱獲など、海には問題が山積しています。
そのひとつが、藻場(海底で海草が生い茂っている場所)の減少によって
岩場がむき出しになる「磯焼け」です。
藻場には稚魚の餌となる小型生物が豊富に生息し、
また、そこを産卵場所とする生物も多く、
海の生態系の中で大きな役割を担っています。

「大切な藻場を守りたい」

そんな思いから海っ子の森はスタートしました。

▲アラメ・カジメを取り付けた自然石を海に沈める「海の植林」

発足は2005年。
活動は藻場保全にとどまらず、
海岸清掃、子どもたちへの体験教育、
漁業生産者のPR支援や消費者とのマッチングなど
その範囲を広げています。

▲海岸清掃後の記念撮影(^^)

また、これまでに、
低炭素杯2017「アンバサダー特別賞」、
低炭素杯2019「気象キャスターネットワーク賞」、
第47回社会貢献者表彰などを受賞。
多くの出会いの機会を得て、
生産者や企業との連携も増えてきました。

現在、取り組んでいるプロジェクトのひとつが、
鳥羽市の岩牡蠣生産者と
山梨県のワイン用ぶどう生産者の連携による商品開発です。
遠く離れた異地域のつながりによって、
新たな価値を持つ「ワイン」が生まれようとしています。

岩牡蠣の生産販売の過程で排出される牡蠣殻は、
水産廃棄物として適正な処理が義務つけられています。
今回の連携は、
この牡蠣殻をワイン用ぶどうの肥料として再利用するというもの。
きっかけは、海っ子の森が開催した
畔蛸の岩牡蠣と日本ワインを楽しむ会」でのソムリエの一言
「美味しいワインのぶどう畑は海の匂いがする」でした。

牡蠣殻の再資源化は、既に他でも行われていますが、
今回のポイントは、そこにワクワクが伴っていること。
「岩牡蠣」と「その殻を肥料として育ったぶどうを原料にしたワイン」とのマリアージュが、
今から楽しみでなりません。
美味しさはもちろんのこと、このストーリーが新たな価値となって、
消費者の皆さんにも喜びを感じてもらえるんじゃないかな。
完成したら、牡蠣殻を提供してくれた生産者が営む鳥羽の旅館で、
ワイン会を開催する予定でいます。
毎年、それを目的に、多くの人が鳥羽に来てくれるようになれば嬉しいです。

▲驚くほど大きい畔蛸の岩牡蠣

▲ワイン用ぶどう畑

▲ブドウ畑にて/畔蛸の岩牡蠣生産者 北川さん親子

海っ子の森が大切にしているのは
「海の豊かな恵みを未来へ届ける」という思い。
そして、もうひとつ、
関わる人が「楽しい」と感じることも重要なポイントだと
代表理事の山下氏は言います。

私たちは、
海の豊かな恵みを未来へ引き継ぐために活動をしているわけですが、
この活動自体が持続可能でなければなりません。
そのために「楽しい」と思えることは、
大切な要素なのです。
ワクワクがなければ、継続できませんからね。

海岸清掃後の伊勢えびバーベキュー、
廃校を利用したキャンプ場での体験教育、
首都圏に三重の水産物をPRするために都内の割烹で食事会を企画・・・など、
確かに、そこにはいつも「楽しい」が内包されています。
このことが、有志のボランティア団体としてスタートした海っ子の森が、
15年間活動を続け大きく成長してきた理由のひとつなのでしょう。

▲藻場再生活動後のバーベキュー

▲畔蛸の岩牡蠣と日本ワインを楽しむ会

▲あばれる伊勢エビにちびっこも大興奮!!

SDGsは、みんなで力を合わせて地球の課題解決をめざす「共創」の取組です。
海っ子の森も同様で、
これまで、価値観を共にする生産者や団体、企業との連携を行ってきました。
これらの活動はSDGsの

目標14「海の豊かさを守る」

に貢献しており、
さらに、連携による取組は

目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

の実践といえます。

社会環境が大きく変わる中、
企業や団体に求められる価値も変化しています。
それが何かを捉え新たな価値創造を行うためには、
「パートナーシップ」が欠かせません。
互いの思いに共感し、
かつ、WIN-WINの方法を探りパートナーシップを広げている海っ子の森から、
私たちが学ぶべきことがたくさんあります。

企業・団体プロフィール

  • 名称

    一般社団法人海っ子の森
  • 住所

    〒514-2304 三重県津市安濃町太田1603-29
  • 電話番号

  • 事業内容

    海の環境保全活動
  • HP

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