三重県内企業・団体様の取り組み紹介
- 伊勢市
- 株式会社宮忠様
神宮のお膝元で80年、宮忠に根付く持続可能な文化
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伊勢神宮の神殿を忠実に模した
茅葺神殿の神棚で知られる株式会社宮忠。
その建築様式は
「唯一神明造(ゆいつしんめいづくり)」と呼ばれる
檜の素木(しらき)造り。
また、神社建築ならではの部材を
忠実に再現しており、
切妻(きりづま)・平入(ひらいり)の高床式で
棟木の両端を支える棟持柱(むなもちばしら)があり、
屋根は茅葺、その上に鰹木(かつおぎ)が置かれ
破風(はふ)が伸び千木(ちぎ)となります。
そして、材料も伊勢神宮の神殿と同じ
樹齢150年~300年の天然木の木曽檜を使用しています。
木曽檜には天然木と植林木がありますが、
天然木は、限られた国有林でしか育てることができない官材で、
その管理は国が行っており
限られた数しか市場に供給されません。
このように貴重かつ希少な木曽檜を
宮忠は、古くから無駄なく使ってきました。
木曽檜は丸太を挽き割った状態でも仕入れますので、
製材後に節が顔を出したり、色の違いが現れることがありますが、
そういった部分は見えない部材に使うなど
美しく無駄なく仕上がるよう「木取り」をし、
できる限り製品として生かす努力をしています。
それでも出る端材は、
檜ブロックにして、入浴剤や子どもたちのおもちゃに活用。
ブロックにもならない小さな端材や白太材などは
地元のお風呂屋さんの燃料として、
製造過程で出るかんな屑は、通販の緩衝材として使用しています。
天然木ですから必ずどこかに節が出てきます。
それも含めて、材料をいかに使い切るかは
職人の腕にかかってきます。
150年以上かけて育った希少な木曽檜、
すべて活かしたいですからね。
また、緩衝材に使用しているかんな屑は、
荷物と一緒に檜の香りも届いたと、
喜んでもらっています。
なかには、消臭剤として
再利用してくださる方もいらっしゃるようで、
とても嬉しいです。
2018年、宮忠は「集塵機」を導入しました。
これは、木を削る際に排出される木の粉「おがくず」を集める機械で
目的は「労働環境の改善」でした。
以前からあった小さな集塵機では
工場全体までいきわたらず、
場所によっては粉埃が充満し働きづらい環境でしたが、
新たな集塵機で劇的に改善されました。
そしてさらに、
その効果は木曽檜のよりいっそうの有効活用にまで広がります。
集められたおがくずはペレット化され
再資源として利用できるようになったのです。
集塵機導入から約1年半で、8.2トンのペレットが製造されました。
これらは
松阪市でペレットストーブの販売をしている
株式会社ミツイバウ・マテリアルとのパートナーシップにより
燃料として活用されています。
1300年以上に渡り、20年ごとに遷宮を行い
森林の健全な維持や技術・文化の継承を続けている伊勢神宮。
そのお膝元で80年、
「持続可能な文化」は宮忠にも根付いています。
宮忠のSDGsに関連する取り組みは
木曽檜の有効活用のみならず、
・地元農家さんの「茅刈り」のお手伝い
・神職として地元の神社へご奉仕
・子どもを対象としたお仕事体験イベント実施
・若い職人の育成
など多岐にわたり、SDGsの
目標12「つくる責任つかう責任」
目標14「海の豊かさを守ろう」
目標15「陸の豊かさも守ろう」
目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」
などに関連していますが、
宮忠は、これらすべて、SDGsが叫ばれる前から取り組んできました。
伊勢の神棚を未来へ継承するためには、
この先もずっと材料を確保していかなくてはなりませんし
技と心も伝承していかなくてはなりません。
そのために、行ってきたことが
SDGsへの貢献につながっていたんですね。
自社の事業を永続するための取り組みが、
そのまま持続可能な社会づくりにつながる。
企業のSDGsの理想的な姿を見ることができました。
企業・団体プロフィール
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名称
株式会社宮忠 -
住所
〒516-0036 伊勢市岡本1丁目2-38 -
電話番号
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事業内容
神棚・神具の製造販売 -
HP