SDGs Challenge MIE

取締役事業本部長　辻村清太氏

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ランドリー排水や溶剤に含まれる化学物質など、
厳しい法規制のもと
環境負荷の軽減が求められるクリーニング業界において、
93年の歴史を持つリネンサプライ会社・株式会社白清舎。
同社は、時代とともに変化する社会の要望に応え、
環境に配慮した経営をすすめてきました。

▲1978年撮影／旧本社の第2工場棟

▲100周年まであと6年

平成13年にISO140001を認証取得。
リネンプラント排水リサイクルシステムや
ボイラードレン水自動中和装置、
排出ガス浄化装置など、
環境に優しい設備の導入にも積極的に取り組み
平成17年には
日本リネンサプライ業界で初めて
ドイツ品質保証基準RAL-GZ992/1・RAL-GZ992/3を認証取得しています。

これらに併せ、力を注いでいるのが
「だれもがいつまでも働ける労働環境」の整備です。

同社は平均勤続年数が長いのが特徴で、
最長者は、なんと51年間勤務を続けています。
これは企業にとって嬉しいことなのですが
片や、高齢化の壁に直面しており、
現在、従業員127名中50歳以上が78名、
最高齢は74歳になります。

▲工場内の様子

▲工場内の様子

今後の人材確保に危機感を覚え、
労働環境の改革に取り組みはじめたのは数年前。

当時、社員に直接話を聞いたところ
「高齢になっても仕事を続けたい」という意見がほとんどでした。
一方、シーツなどの寝具類は非常に重く、
体力的に高齢者が取り扱うことは厳しいという声も聞こえてきました。
また、地元のリゾートホテルが主な顧客なため
繁忙期と閑散期の仕事量の差が大きく
夏場の残業時間が極端に多いことも同社の課題でした。

売上をあげるために、できるだけ多くの仕事を受注しなくてはならない反面
それゆえに労働環境にしわよせが生じてしまう。

辻村氏は、このジレンマと向き合い、大きな決断をしました。

ひとつは、立地の都合で車を近くに停めることができず
離れた場所からリネンの運搬をしなくてはならないお客様に対して
事情を説明し、辞退をさせてもらうこと。

もうひとつは、
年間を通じて仕事量を安定させるため
商圏を広げ、
名古屋や京都のビジネスホテルに営業を展開すること。

この決断は効果をあげ、
現在はリネンの運搬作業が軽減、また、残業時間も大きく減少しました。
社員の皆さんからは、

　残業時間が減ってありがたい
　毎日同じ時間に帰れるから生活のリズムが整う
　終わりの時間が見えているから効率があがる

といった声があがっています。

さらに、この先もできる限り長く働き続けてもらうためには
一人一人の健康管理も大切と考え
同社は、健康経営の取り組みもはじめています。

具体的には、
・定期健康診断受診率100％＋産業医による保健指導
・ストレスチェック
・空調設備の改良
・AEDや血圧計、畳の休憩所など健康増進のための環境づくり
・毎日2回のラジオ体操
などを実施。

健康経営優良法人2020（経産省）、
三重とこわか健康経営カンパニー2020ホワイトみえ（三重県）、
健康推進事業書（協会けんぽ）
といった認定も取得しています。

▲認定証・登録証の一部

こまでご紹介してきた取り組み以外にも、
・水資源の有効活用
・環境に優しい水処理
・回収熱の再利用、
・劣化した繊維製品の再利用
・障がい者雇用
などに取り組み、
持続可能な社会づくりに貢献している同社ですが、
これらを積極的に行っている理由を
辻村氏はこのように言います。

まずは、水と熱を大量に消費するリネンサプライ会社としての
社会に対する責任感です。
それと、社員の幸せを実現したいという思いも大きいです。

そして、これらと同時に、
収益性をあげることも常に意識しています。

例えば、従業員の働きやすさと収益で言うと、
どちらかを犠牲にしてどちらかを叶えるというのではなく
両方を実現するよう考え実践しています。
事業も持続可能でなければなりませんからね。

次は災害対策と女性が活躍できる環境づくりに取り組もうと思います。

▲取り組みに対する思いを語る辻村氏

一歩一歩できることから取り組み、
成果をあげてきた白清舎。

これからも
会社と自然環境の持続可能なあり方
会社と地域社会の持続可能なあり方
会社と社員の持続可能なあり方
を模索しチャレンジし続けることで
確実にSDGsのゴールに近づいていくのではないでしょうか。