三重県内企業・団体様の取り組み紹介

津市
三重大学 環境ISO学生委員会様

学内外の活動を通じて、環境マインドの種蒔きを

▲環境ISO学生委員会委員長 大向拓海さん

・・・・・

三重大学 環境ISO学生委員会の委員長として、
環境活動を積極的に行っている大向拓海さん。
徳島県で生まれ育ち、
小・中・高とサッカーに情熱を注いできました。
子どもの頃の遊びは主にゲーム。
小学校のときに、海洋学習で海の生物観測をした記憶はあるものの、
周りの自然環境は当たり前のように存在し、
そこに意識を向けたことはなかったと言います。

そんな大向さんが、環境について考えるようになったのは
2020年、三重大学に入学してからのことでした。
入学当初、様々な部活やサークルの勧誘チラシの中で目に入った
「科学的地域環境人材育成事業SciLets(サイレッツ)」のパンフレット。
これは、「地域で環境問題の解決を推し進める人材を育成する」という
三重大学の新しい事業でした。

受験前、入試対策として毎日読んでいた新聞で
「SDGs」に関するニュースが多いことが気になっていた大向さんは、
これからの社会には環境に関する知識が必要だと、
サイレッツを受講することにしました。

この受講と重なったのが、新型コロナウイルスの感染拡大です。
日本においても全国に緊急事態宣言が出され、
世界的に経済活動が制限されたわけですが、
皮肉にも、その影響でCO2の排出量は大幅に減少しました。
経済活動が少なからず自然環境に負の影響を与えることが証明されたものの、
人々が生きていくには経済活動も必要である、というジレンマ。
大向さんは、これを実体験として目の当たりにし、
さらなる学びを求め、環境ISO学生委員会に入会しました。

環境ISO学生委員会は、2006年、
「学生主体で環境ISO14001認証取得を目指す」という目的でスタートしました。
目的達成後も「世界一の環境先進大学を目指す」ために活動を続け、
2017年には、全国の大学生の組織として初めて
「地域環境保全功労者表彰 環境大臣賞」を受賞しています。

3R(リデュース、リユース、リサイクル)活動、緑化活動、地域連携活動を
主な取り組みとし、
具体的には、
学内のレジ袋削減や古本市、家電・自転車などのリユース、
屋上緑化活動や落ち葉の堆肥化、
地元の海岸清掃や地元小学校への環境学習などを
行っています。

▲学内に設置されたエコステーション

▲屋上緑化活動

中でも「町屋海岸清掃」は、
地域住民によって結成されたNPO法人町屋百人衆と共に
2006年から活動をスタートし、
1年に5回の海岸清掃活動を続けてきました。
昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため
活動が制限されましたが、これまでに69回開催し、
参加メンバーは、
三重大学や県内他大学の学生、地元住民、地元の企業など
徐々にその範囲は広がっています。

▲町屋海岸清掃

大向さんは、環境ISO学生委員会の活動を
「環境マインドの種蒔き」だと言います。

「持続可能な社会づくりのためには、
一人ひとりが、
環境マインドを持つことが大切だと思います。
私たちが行っている活動の意義もそこにあります。
例えば、海岸清掃であれば、
”海岸のゴミが減る”という直接的な成果も重要ですが
取り組みを通じて、
参加者の心に環境に対する意識が芽生えることが
一番の成果だと思っています。
一人ひとりのなかに生まれた芽は、
別の場所で、新しい種を蒔き新しい芽を育んでいきます。」

大向さんは、現在、
三重県の取り組み「ミッションゼロ2050みえ」の
若者チームの一員としても活動を行っています。

この活動を通じて、
鳥羽市の漁師さんと出会い
海の環境の実情を学びました。
同じ頃、委員会メンバーからは
伊勢湾の海洋プラスチックゴミについて問題提起があり、
委員会で鳥羽の漁師さんを訪問する
研修旅行を企画することになったといいます。

このように、ひとつひとつの活動が
新しいつながりとなってネットワークが広がり、
社会全体の環境マインドの育成につながっていきます。
三重大学 環境ISO学生委員会が蒔く環境マインドの種は、
いずれ、様々な場所で大きな実をつけることでしょう。

▲卒業する学生の自転車や家電を修理してリユース

企業・団体プロフィール

一覧ページに戻る
賛同企業・団体
お申し込みフォームはこちら